2015年10月15日木曜日

ノースリーブちゃんとキジ太郎のこと

猫と暮らすようになって15年。
そして近所の野良ちゃんたちと密接に関わるようになって4年になります。

幸いなことに、私はこれまで猫に死なれるという経験がありませんでした。

ところが、この1カ月ほどのあいだに二つの小さな命が奪われるのを目の当たりにすることになりました。正直なところ、特に変死したキジ太郎のことを考えると、言いようのない悲しさと悔しさでいっぱいになります。

でも、ノースリーブちゃんとキジ太郎が短いあいだでも生きて愛されていたこと。
ブログに残しておきたいと思います。

ノースリーブちゃんは、9月7日の朝に天国にいきました。
わずか18日の短い命でした。

ノースリーブちゃんは、まもなく新しいおうちに行く予定の長袖くんと七分袖ちゃん(通称「袖ズ」)の妹です。3兄妹は、8月21日、住宅街の路上で胎盤がついた状態で発見されました。まだ暑い時期で、しかも確かその翌日には大雨が降りました。もし保護主さんが保護してくださらなかったら、間違いなくその日か翌日にはみな死んでいたでしょう。

ちなみに、「長袖」「七分袖」「ノースリーブ」というのは、前脚の黒い部分の違いから獣医さんが命名したものですが、保護された最初の晩、徹夜で袖ズにミルクをあげてくださった獣医さんの愛情を感じます。

私はその後、生後5日目から袖ズを預かりました。


生後5日目の袖ズ。体重100グラム前後の小さな子たち。


生後7日目のノースリーブちゃん


乳飲み子を育てるのは初めての経験でした。乳飲み子どころか、これまでに私が迎えた猫で一番小さかったのが3カ月のぐりだったわけで、わからないことだらけで、不安もいっぱい。でも子猫たちはそれは可愛くて。そして、とても元気で。元気いっぱいでいつもウゴウゴしているから、なかなかブレていない良い写真も撮れなくて。


9月6日夜のノースリーブちゃん。
この数時間後に容態が急変しました。


粉ミルクで便秘がちだった袖ズ。便秘解消に良いとされることをいろいろやっても出なくて、この日はリキッドミルクに変えました。6日の深夜、ノースリーブちゃんがうんち! 良かった〜と思ったものの、この頃はまだトイレではできないので、自分のうんちにまみれて汚れてしまいます。拭くだけではきれいにならなかったので、病院でもらった薬用シャンプーを薄めてノースリーブちゃんの体を洗いました。その直後、急にぐったりしてしまったのです。でもしばらくは、脱水してはいけないと思ってミルクをあげたら飲んだし、こちらを見てニャーと鳴いてもいたのですが……。時間とともに体から力が抜けて、首からがっくり折れたような状態で横たわっていました。

その後、いつ心臓が止まったのか、私にはよくわかりません。朝になって病院に連れていったときも、私にはまだ柔らかなお腹が動いているように見えたし、死んでしまったとは思えずにいました。ただ、病院の受付の方が、担当の先生に通す前にキャリーの中のノースリーブちゃんを見て、もう心臓も呼吸も止まっているようですとおっしゃって。

初日に徹夜でミルクをあげてくださった先生からは、「半日で急変して死んでしまったこの状況からいって、仮に夜中のうちに病院に来ていても治療が追いつかなかったでしょう。はっきりした死因はわからないけれども、どうしようもなかったと思います」と言われました。この時期の子猫がまだ弱くて、突然死んでしまうこともあることは頭では理解していたけれど、そうは言われてもどうしても自分を責める部分もあります。

ノースリーブちゃんは、保護主さん宅のお庭に埋葬していただきました。たくさんの大きなワンちゃんと、優しい保護主さんがいるお宅です。きっと寂しくはないと思います。

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キジ太郎は、10月4日の夕刻に天国にいきました。





キジ太郎は、7月半ば頃からうちの庭に姿を見せるようになった、きれいなキジトラの母猫とその3匹の子どもたち(3兄弟)のうちのひとりでした。おそらく、4〜5カ月といったところだと思います。

ちょっと黒みがかったアメショー風味の男の子を別にすれば、母猫と2匹のキジトラ息子は
とてもよく似ていて(顔を見れば、母猫だけが透き通るようなグリーンアイズなのがわかりますが)、なかなか区別がつきません。

ちょうど、シロちゃんとチョビを新しいおうちに引き渡した頃に姿を現したこの子猫たち。何とか寒くなるまでには保護できたらいいなーと思いつつ、8月下旬に急遽袖ズを預かることになったため、後回しにせざるをえませんでした。

とはいえその間もこの3兄弟はとても元気で、庭で遊んでいる姿、団子になって寝ている姿をよく見ていました。キジ太郎も、倒れているところが目撃されたその2、3時間前には元気な姿を見ていたのです。

キジ太郎は、うちの前の路上で口から大量の血を吐いて死んでいました。
帰宅した父が発見し、「子猫が動かない。死んでいるようだ」と言われたときの気持ち。

たぶん、車に轢かれたのだと思います。吐血以外はきれいな状態でした。自分では車を運転しないし、日頃ほとんど外出しないので、実は今まで猫の轢死体は見たことがありません。一方で、もしかして故意に誰かに殺されたのだとしたら、という不安を完全にぬぐい去れないでいるのも事実です。この近くでそんな話は聞いたことないし、基本的には猫に優しい環境なのですが。

とにかくそのままにしておくわけにはいかないので、キジ太郎の体をタオルでくるんで箱に入れ、とりあえず玄関脇に置きました。そうしているあいだに、兄弟猫が寄ってこようとして、「来ちゃだめ!」と言ったことを覚えています。そもそも、ご近所の方が父よりもほんの少し前に見つけて、私の携帯に電話をくださっていたことに後で気づいたのですが、「子猫が3匹いるけど、どうもそのうちの1匹が動いていないようだ」という内容でした。

キジ太郎を家の中に入れ、汚れた体をきれいにして新しい段ボール箱に安置してから、今度は遺体をどうしようかということで悩みました。日曜日の夜だったので、役所は連絡が取れないけれど、ネットでいろいろ調べて、自治体に頼んだら普通の可燃ゴミとして処理されることがわかりました。

うちの子でもない、まだ保護猫でもないけれど、それではあまりに可哀想で、ただこの子の遺骨を自分で持っているのもこの場合は違うような気がしたのです。いろいろ悩んだ末に、訪問火葬の業者さんにお願いして、引き取って火葬をしてもらい、49日が過ぎたあとに散骨というかたちを選択。棺には、大好きだった子猫用カルカンパウチと、母猫と兄弟と一緒の写真、そして庭のよくいたあたりに生えていた木の枝と生花を入れました。





ノースリーブちゃん。
キジ太郎。

天国で楽しく安らかに暮らしてください。
あなたたちのことが大好きでした。絶対に忘れないよ。
そして、兄弟姉妹とママが天寿をまっとうしてそちらに行くまで見守っていてあげてね。
今度は痛い思いも怖い思いもしなくていいように、優しいおうちの猫として生まれ変わっておいで。もちろん、私のところに来てくれてもいいからね。


2 件のコメント:

  1. 保護ニャンといえども、看取るのは辛いですね・・・。
    獣医が言われたように、胎盤のついたままの子猫は、恐らく初乳も飲んでいない状態だったと思います。
    すごく短い猫生でしたが、清宮さんの愛情を受けれたことは、この子にとって最大の 人間からのやさしさだったんですよね。
    こういった子が天に召されて、私がその子に言ってきたことは、
    『遺棄した人間を恨んで~~~。』
    『その人間が同じ苦しみで死ぬように』と願いました。
    本当に許せないことですから。

    P.S 友達申請OKしてださって、ありがとうございました。


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  2. コメントありがとうございます。
    ご無沙汰しております。

    ノースリーブちゃんと兄姉は、人間に捨てられたのではなく、野良母さんが産んだ子なのですが、育児放棄したのか、それともたまたまお引越し中に置いていってしまったのか、路上でうごうごしていて、でもすぐそばにカラスもいるし、そのまま放置することができずに保護主さんが拾ってくださいました。なので、この子たちはずっと人間の優しさに生かされてきたと言っていいと思います。

    一方、キジ太郎は、交通事故だとしてもひき逃げされたわけで、そういう野良猫なんてひき逃げして当然と思っている人間や、虐待するような人間には同じようなことを思います。

    最近はあまりそちらを利用できなくてすみません。。
    でも、もう14年も前になりますねー、うちの長男のロシアンブルーのぐりのことでいろいろ相談にのってくださったご恩は忘れません。ぐりも、元気で先日15歳の誕生日を迎えました。

    またFBのほうでもよろしくお願いいたします。

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